iihaセミナーアーカイブ配信
健康的な日々を送るために、なぜお口のケアが大切なのか。
2023年12月16日に開催されたオンラインセミナー「守ろう!お口とからだの健康!オーラルケアセミナー」をアーカイブ配信します。
主催:厚生労働省
後援:読売新聞社、日本歯科医師会、日本歯科衛生士会
<開会・ご挨拶>
<第一部>トークセッション「教えてください!オーラルケアの大切さ」
<第二部>パネルディスカッション「お口もからだもきれいに!健康に!」
「守ろう! お口とからだの健康! オーラルケアセミナー」が、オンラインで開催された。厚生労働省医政局歯科保健課歯科口腔保健推進室の和田康志室長が「家族で歯とお口の健康作りに取り組むきっかけにしてほしい」とあいさつ。健康な生活を送るために、なぜオーラルケアが大切なのか、トークセッションとパネルディスカッションを通じて、3人の識者とともに考えた。
<第一部>トークセッション「教えてください!オーラルケアの大切さ」
坂田香里氏(日本歯科医師会理事)
聞き手:岡本安代氏(アナウンサー)
お口の健康は、体全体の健康と深いつながりがあります。筋力のバランスにも影響し、歯が19本以下の人は、20本以上ある人と比べると、転倒の確率が2.5倍になると言われています。むし歯や歯周病は認知症の発生リスクを高め、心疾患、呼吸器疾患、脳梗塞(こうそく)などの原因にもつながっていると言われています。
永久歯は一度失われると再び生えることはなく、予防が極めて大切です。毎食後すぐに、歯の表面、歯と歯茎の間、歯と歯の間を意識してみがいてください。歯間ブラシやデンタルフロスを使ってみがき残しのないようにして、歯みがき後のうがいは軽く1回程度。歯みがき剤に含まれているフッ素の効果を残すためです。上手に歯みがきできたとしても落とせる汚れは6割程度。定期的に歯科医師、歯科衛生士のアドバイスを受けてください。
今、20代、30代の歯周病の罹患(りかん)率が上がっています。若い方にも定期的な健診を受けていただくよう、啓発に力を入れています。
<第二部>パネルディスカッション「お口もからだもきれいに!健康に!」
坂田香里氏(日本歯科医師会理事)
木村沙織氏(元女子バレー日本代表)
岡本安代氏(アナウンサー)
聞き手:利根川昌紀(yomiDr.編集長)
――現役時代、どんなことに気をつけてましたか。
木村 歯が痛いとパフォーマンスにも影響が出てしまうので、丁寧にみがくようにしていました。歯間ブラシや洗口液など、むし歯を防ぎそうなものは徹底的に使いました。
――子どもの歯みがきで工夫していることは。
岡本 年齢によって子どもたちの歯みがきに対する意識が変わっていったと感じています。全ての根幹はお口の健康なんだと、子どもと共有していくのが母の務めだと痛感しています。
木村 0歳の息子はすごく歯みがきを嫌がります。おしゃぶり代わりにいつも歯ブラシをくわえさせて、タイミングを見てシャッシャとみがくようにしています。
坂田 定期的に健診を受けている人は、20代が最も少ない。これが若者の歯周病罹患率が高くなっていることにつながっています。子どもの頃からお口の健康に気をつけ、定期的に健診を受けることが大切です。
――普段、歯のきれいさについて意識しますか。
木村 バレーボールは試合中に声を出す事も多く、テレビではきれいに映りたいと思っていました。
岡本 我が家では洗面台が、朝のコミュニケーションの場になっています。お口をきれいにして、今日もお互い笑顔でがんばろうと、景気づけをしています。
――妊産婦のお口のケアや乳歯の大切さについて教えてください。
坂田 歯周病は早産や低体重児出産のリスクを7倍に高めると言われています。歯みがき剤を刺激の弱いものにするなど工夫して、しっかりとケアしてほしい。
乳歯も大切です。きちんとかむことができないと、成長を妨げます。早く抜けてしまうと、大人の歯が生えるスペースを確保できず、歯並びにも影響します。
――お口のケアついて今、改めてどう思いますか。
木村 歯科医に行くと歯がつるつるになって気持ちいい。美容院、エステと同じように、自分のメンテナンスとして歯を診てもらうようにしたいと思います。
岡本 歯が丈夫なことが自慢でしたが、出産後初めてむし歯が1本見つかり、それからは定期的に健診に行っています。「自己診断」が一番危険だと思います。
出演
坂田香里氏(さかたかおり)
日本歯科医師会理事
1988年に日本大学歯学部卒業。96年に天王洲パークサイドビル歯科開業。品川歯科医師会理事等を経て、2023年6月に日本歯科医師会理事。日々、患者さんに寄り添った診療を心がけている。また、出産経験を活かして妊産婦歯科診療も行っている。
木村沙織氏(きむらさおり)
元女子バレー日本代表
全日本代表の絶対的エースとして数々の国際大会で活躍。ロンドン五輪銅メダル獲得の原動力に。トルコ移籍後に臨んだリオデジャネイロ五輪ではキャプテンとしてチームを牽引。現在は、一児の母として奮闘しながらマルチに活動中。
岡本安代氏(おかもとやすよ)
アナウンサー
5人の子供達を育てながらアナウンサーとして活動する”ママウンサー”。バラエティ番組で大家族率いるパワフルママとして全国的に注目を集める。メディア出演の他、全国各地で講演多数。最近では映画、舞台出演など女優としても活動。ブログ「走り続ける岡本家。」など各種SNSで発信中。
利根川昌紀(とねがわまさのり)
yomiDr.編集長
1997年に読売新聞社入社。浦和支局(現さいたま支局)、大阪経済部、経済部、医療情報部(現医療部)、前橋支局、医療部を経て、2022年4月から読売新聞社の医療、健康、介護情報の総合サイト「ヨミドクター」編集長に。東京都出身。